■ 電脳魔女の独言14 重光葵 | 2007. 7.27 |
先日、年長の友人とお昼に素麺を手繰りこみながらの四方山話の折、戦 艦ミズリー号の甲板上で、連合国への降伏文書調印式に一人で臨んだ重 光葵に話が及んだ。彼が鬼籍に入った1957年から丁度半世紀が経っ ている。彼を知っている人もほとんどいなくなってしまったのではと思 われるが、国家と国民のありようと方向について、彼ほど真剣に考え、 行動した人は数少ないのではないかと、改めて考えてしまった。 上海で爆弾テロに遭って右足を吹き飛ばされて以来、義足と杖が手放せ ない暮らしだったが、意に介することなく政治活動に没頭したという。 A級戦犯で巣鴨に7年。出所後は吉田茂と総理の座を争うが敗北する。 彼は明治20年7月29日に獅子座の太陽の下に生まれている。 ホロスコープ上の半円内にすべての星が集まったスペシャリストとして 波乱の人生を歩んだ事になる。 年長の友人は、朴の葉の上の焼いた鰺を箸でつつきながら、昔、大阪駅 で彼を見かけた時の事を、こう話してくれた。 女性の介添えを受けながら歩いて来る重光さんを見たときは、自然に頭 が下がったのを今も覚えていますよ。重光さんの歌ですわ。 願わくばみくにの末に栄えあり 我が名蔑む人の多きを いや、もう、あのように立派な政治家はおりませんな。 言われてみればそのとうり、きっと明治維新のあたりに、神様があんま り気前良く優秀な人材をこの世に放出したので、神様のひょうたんには 立派な人の在庫がなくなっちゃったのかしら。見渡す限り粗製乱造って 感じだもの。今回の参議院選挙といえば立候補者の顔ぶれ。 京極夏彦の巷説百物語もマッサオ!!! まるで百鬼夜行とはこのことか。でも夏だし…………。 |
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